先日、"歴史と共に生きるミラノ"という記事にトラムに代表されるように、イタリアはやみくもに新しいものを積極的に取り入れて、古い物を排除するのではなく、使えるのなら、古い物でも使い続けるという傾向を書きました。
その続きになりますが、もう一つ、日常にこの傾向をみるところがあります。
それは、これです↓
実は、これ、エレベーターです。
開き扉を開けると、次には引き戸があります。
そして、この引き戸を引くとやっと入ることができます。
ボタンも、アンティークです。
そして、再び扉を2つとも閉じないと、ボタンを押してもエレベーターは動かないので、ご注意ください。
ちなみに、エレベーターが動いている間に扉を開けると、どうなるかというと...
エレベーターが階の途中にあっても止まります。
しかし、また閉じると動き出します。
自動ドアが普通の日本人にとっては、とても不便だと感じるかもしれませんが、エレベーターがこのようにアナログだと、他者のために扉をあけておくなど、ちょっとした協力が必要となり、"Grazie!"の掛け合いが生まれます。
そして、話好きのイタリア人は、そこから話を展開させ、エレベーターを降りる頃には友人になってしまっていることも珍しくありません。
便利と引き換えに失っているこうしたちょっとした人とのふれあいをイタリアでは、不便の多い分感じます。