行事お菓子の多い国
この形、イタリアでは、イースター近くなると、イタリアのお菓子やさんやスーパーでよく目にするようになります。さて、なんの形だと思いますか?
イタリアに来て思うことは、何かの行事ごとに、そのためのお菓子が存在するということです。例えば、12月はパンドーロ、2月はパスクワのキアッケラのように。
イースターもまた、恒例のお菓子がたくさんある行事の一つ。
そのため、過去にパンドーロ、キアッケラが大量に積まれていた場所に3月はこのイースターのためのこんなお菓子が山ほど陳列されます。
実はこれ、"パーネ・ディ・コロンバ"という菓子パンです。
コロンバとは、平和の象徴、鳩を意味します。
しかし、イースターの際に鳩の形をしたお菓子を食べる風習は実は、お菓子を売るためにイタリアのお菓子業界が生み出したものだったようです。
以下、http://prezzemolo-creapasso.blogspot.it/によると、
"『サーレ・エ・ペペ』の記事より。
イタリアでは、菓子業界のアイデアもあって鳩は復活祭のイメージキャラクターとして定着した。
よく考えると、イタリア以外で、復活祭に鳩のお菓子を食べる国は思いつかない。なんとコロンバは、イタリアの菓子業界が造った習慣だったのです。
そもそものきっかけは、パネットーネで有名なモッタ社。
このモッタが、20世紀初めに、第二のパネットーネをもくろんで復活祭用に開発した商品が、コロンバだったようです。
(http://prezzemolo-creapasso.blogspot.it/2009/12/blog-post_08.html)"
不景気と言われるイタリアで今もなお、昔から代々と続く小さなお菓子やさんを町中で見かけるのは、こうしたイタリアのお菓子業界の昔からの戦略が今も忠実に受け継がれているからなのでしょう。

